メンタル不調の社員のケアをどうしようか不安
メンタル不調による休業者への対応は、昨今どの企業においても重要な課題となっています。
特に、介護業界など心身の負担が大きい現場においては、休業から復職される時の不安をどれだけ軽減できるかが、職員の定着と職場の安定に直結します。
こちらでは、メンタル不調による休業者の復職を支援する仕組みの導入、そして実際に職場復帰を実現した事例をご紹介します。
お客様の背景および顕在化していた課題
お客様の背景
・60名程度の従業員数、介護施設を運営
顕在化した課題
この施設で正社員として勤務していた職員が、メンタル不調により長期休業を余儀なくされました。
その後、長期休業から復職される際に、本人としては「いきなり正社員としてフルタイム復帰するのは不安」という気持ちを抱えていました。
一方、施設側においては、復職に向けた明確なルールやステップが存在していませんでした。
その結果、
・現場が復職された方へのケアを含めて、どのように対応すればいいか判断できない
・復職される本人も、不安を抱えたままで復帰のタイミングを逃してしまう
といった、双方にとって不安定な状態が続いていました。
施設側はこの状況を重く受け止め、弊事業所にご相談いただきました。
弊事務所からの提案内容
状況把握のため、施設側および従業員側から徹底したヒアリングを行いました。
その結果を受けて、休業後の復職をスムーズに行うために、以下の施策を提案・実行しました。
慣らし出勤制度の導入
復職までの不安を段階的に軽減できる仕組みとして、まずは短時間・軽負担で出勤する慣らし出勤制度を導入しました。
段階的な復職ルートを制度化
上記の慣らし出勤からスタートし、一時的に臨時職員として復帰。その後の勤務状況に応じて正社員へ戻るという流れを制度化しました。
就業規則への明文化
上記のルールを就業規則に明記し、どの職員にも共通して適用できるよう整備しました。
これにより、今後も同様のケースが発生した場合でも、一貫性ある対応が可能になります。
提案後の成果
制度導入後、当該職員はまず臨時職員として慣らし出勤を開始しました。
その後、数ヶ月かけて徐々に業務に慣れることができ、最終的には再度正社員として復職する事に成功しました。
今回構築した仕組みによって、
・本人の不安が大幅に軽減され、自信を持って職場に戻る事ができた
・周囲の職員においても、明確なルールに従って対応する事ができたため、現場での混乱を防ぐ事ができた
という成果が得られました。
本件のポイント/まとめ
本件の対応におけるポイントは以下の通りです。
・慣らし出勤制度を導入する事により、復帰への心理的ハードルを下げた
・段階的な復職ルートを制度化し、就業規則に明文化し職場内に周知した
・実際に本内容を実施する事により、最終的に正社員復帰が実現し、本人・職場ともに安心できる結果になった
メンタル不調による休業者の復職支援は、単に「復帰させる」事ではなく、「安心して戻れる環境を用意する」ことが重要です。
本事例のように、制度として復帰ステップを整えて実践する事で、本人・職場の双方にとって前向きな結果を生み出すことが可能になります。
本事例をご参考に、ぜひ弊事務所にご相談頂ければと存じます。